すべては『花嫁を一番美しく輝かせるため』
これまでにユミカツラがその思いとともに辿った
軌跡や活動をご紹介します
01
ブライダルファッション素材
&ブライダル小物の開発
1964年、幅広のドレス地の着手から始まり、難しいといわれたサテンタフタ(タフタの張りを持つサテン地)の制作など数々のシルク地やレース地をブライダルファッションの代表的素材として開発。また、レースのくり抜き技法を筆頭にテグス・テクニックで軽やかなヘムラインを表現するなど様々なブライダルテクニックを生み出しました。更に、保守的でワンパターンだったブライダルやフォーマルの装身具やアクセサリー、ブーケ、シューズ、グローブ、インナーなどのファッション化とグレードアップ化にも取り組みました。多様化するブライダルシーンのニーズに合わせて開発を続けています。
02
ブライダルファッションの既製服化
1970年代の日本のウェディングドレスは貸衣装がメイン。欧米のように「自分だけのドレス」を着てほしいという思いを強く抱いた桂由美は、貸衣装と変わらぬ金額で質のよい「OLの1ケ月のサラリーで買えるウェディングドレス」を日本初のプレタポルテとして発表。以後、ウェディングドレスを望む花嫁は急速に増えました。特に1981年にニューヨークショーで初めて発表した「ユミライン」と呼ばれるシルエットのドレスは桂由美の代表作で、今現在も世界中の花嫁を魅了し続けています。
03
新時代の新素材、新技術の開発
ユミカツラは新素材、新技術の開発に力を注いでおり、暗闇で蛍光色に光る「蓄光素材」を使用した世界初のマリエもそのひとつ。2001年のローマコレクションでは幻想的なドレスを発表し世界のマスコミを驚かせました。2005年には光の反射でオーロラ色に輝く新素材「モルフォファイバー」をウェディングドレスに取り入れ、2009年からは「LEDライト」や「光ファイバー」とコラボレーションした作品を発表。2015年のショーでは、ウェディング分野で世界初となる「蓄光ビーズ」を駆使した幻想的なグランマリエを発表し大好評を博しました。
04
メンズフォーマルウエアのファッション化
花婿といえば花嫁の引き立て役と長い間思われてきましたが、それに異議を唱えたのが桂由美でした。1983年、花婿のワンパターンファッションに対し、ニューテールコートやスペンサースーツ、セレモニーコートを次々と発表。よりスタイルよく見えるよう様々な工夫を凝らし、メンズフォーマルウエアのファッション的価値の引き上げに貢献。装いの格を合わせたペアコーディネートのバランス美の重要さを常に提唱し、花嫁花婿の衣裳をトータルにデザインしています。
05
アジア各国の伝統文化や
婚礼衣装を残すための啓蒙活動の実施
アジア各国の伝統の婚礼文化や婚礼衣裳を大切に考え、後世に伝えようと、桂由美の呼びかけで始まったのが「アジアブライダルサミット」。毎回4〜8カ国のブライダル関係者や学識経験者を集め、各国伝統模擬結婚式や民族衣装の展示などを通じて有意義な国際交流を繰り広げています。第一回目は1995年に東京で、その後はジャカルタ、ソウル、大連、マニラなどで、2016年には中国・蘇州にオープンした中国最大のブライダルタウンで開催されました。
06
ブライダル業界の改革と活性化
全国の花嫁の要望を叶えることができるプロを各地に置くために1969年に「全日本ブライダル協会」(現 一般社団法人)を発足させ「ブライダルコンサルタント」の養成をスタートさせました。1990年からは時代のニーズに合わせ、ウェディングプランナー、プロデューサーの養成も開始。1999年からは宗教によらない「法律上の2人の結婚の成立」を第一義とする「シビルウェディング」を神前、キリスト教に次ぐ第三の結婚式として提唱。同時にシビルウェディングミニスターの養成も実施し、「感動を呼ぶ現代の新しい結婚式」として定着し始めています。また、2006年からはプロポーズにふさわしい観光スポットを「恋人の聖地」(全国で140か所認定)として選定する活動を開始。さらに2011年から市民参加型の「ふるさとウェディング」を提唱しています。
07
和装婚礼衣装の伝承と革新
桂由美のデザインポリシーの根底にあるのは「日本人であることに誇りを持ち、日本の文化や伝統に敬意を込めて向き合う」というもの。それゆえ婚礼における「和洋の両立」を一貫して提唱し続けています。そのため花嫁が婚礼着物を敬遠する内なる理由にも目を向け、「重い」「日本髪が似合わない」などの和装のデメリットに着手。重さに関してはオーガンジーなどのドレス素材を取り入れ、通常5㎏の打掛を300gまで軽くしました。花嫁のニーズにあった着物は和装業界に旋風を起こしたばかりでなく、日本の女性たちをもう一度和装の魅力に振り向かせるきっかけとなり、近年着物着用者が増えています。
08
日本の伝統美を
新テイストでアレンジし世界に発信
2001年、イタリア最大のファッションイベント「Donna Sotto Le Stelle」でシャネルやアルマーニなど名だたるデザイナーたちと肩を並べることとなった桂由美は、友禅染、鹿の子絞り、箔押しなど日本古来の伝統美を生かした作品を発表。2003年からは発表の場をパリオートクチュールコレクションへと移行し、和紙ドレス創作に着手。越前和紙の協力のもと紙を漉くところから創作される和紙は「和紙を越えた和紙」と称され、「WASHI-MODE」の名を新たなファッション用語として定着させました。現在は友禅の美を世界中に発信するため「YUMI YUZEN」と題し2012年よりパリコレクションで発表し続けています。
09
ブライダル業界向上のため、
著書執筆による業界への提言
ブライダルに関してお手本となる教科書がなかった1968年、日本初となるブライダル専門書「ブライダルブック」(文化出版局)を執筆。結婚式がワンパターンであった時代に、「式は厳粛に、披露宴は楽しく」、「結婚式は百人百様」と書いた本は日本初。年々多様化するブライダルシーンをよりエレガントに、より感動的にするためにまとめられたこれらの著書は、ブライダル業界のシグナルとしての役割を果たしています。
10
日本のブライダルファッション発展のための人材育成
全日本ブライダル協会では人材育成のためのセミナーを開催し、現在では5000人に及ぶブライダルコンサルタントを育成。さらに専門学校の学生を対象に認定校を募り、ブライダルビューティープランナー、ブライダルファッションプランナーなどのジュニアライセンスの取得制度を実施。さらに、日本人デザイナーの人材育成にも力を注ぎ、2007年より「Yumi Katsura Award」を新設。この目的は次世代を担うクリエーターの発掘と、昨今のインポートブームによる日本のブライダル業界の衰退に警鐘を鳴らす側面も担っています。