「ウェディングドレスを着て、ショーで歌を歌ってほしい」――由美さんからオファーをいただき、2010年に初めてお会いすることが出来ました。その時とっても美しいウェディングドレスを着させていただいて、何曲も歌ってすごく楽しくって。その時私はまだ25才!若かったので「あなたの本当のウェディングドレスも私に任せてねって」って。残念ながら間に合わなかったんですが、そんなふうにいつも優しく声をかけてくださいました。
お話しするときは、とっても柔らかで優しいんですけど、仕事モードに入るともうパチンとスイッチが入って眼差しがとても厳しいというか、鋭いというか。本当に職人の目になるんですよね。その瞬間を目の当たりにして最初びっくりしてしまいましたが「ああ、こんなかっこいい人になりたいな」って。それから憧れの人になりました。それからずっと私のコンサートを見て下さり、車椅子の時も来てくださいました。
また、私の歌に「からっぽのハート」という曲があり、父が亡くなって心が空っぽになっても優しい人たちが私を見守ってくれているっていう、そのコンセプトでいろんなお世話になった方々にお声をかけていて、その中でレスリーキーさんが、実は桂由美さんにも声をかけてくださっていて――先生はちょうど旅先だったんですけど、その旅先と旅先の忙しい仕事の合間を縫って東京駅でわざわざ下車して撮影に参加してくださいました。私にとってはもうたくさんのご恩を感じています。
由美先生、いつも私の歌を聴いてくださって、本当にありがとうございました。天国に引っ越されてもどうかお元気で、そして私たちのことを見守っていてください。これからもずっと憧れて大好きな人です。本当にありがとうございました。また、必ずお会いできるのを楽しみにしています。
(平原綾香/2024年8月9日桂由美追悼ショー“Yumi - celebration of life -”にて)