私が15歳でモデルになった時のこと、桂由美先生のドレスや和装のコレクションに出ることはモデル達の大きな夢でした。大先輩のモデルの方々が、コレクションでドレスや和装をより美しく見せるための仕草を工夫しながら表現されるのを、見に行って学ばせてもらっていました。
【いつか私もこの舞台に立ちたい】と夢見ながら、モデルの練習生として桂由美先生の華やかなお姿とドレスを拝見させていただいたのが、初めの思い出です。
時を経て、私も和装のモデルに始まり、ショーのモデルとして出演させて頂き、夢が叶いました。それからは、友人たちや芸能関係の方がどんどん桂由美先生のウェディングドレスで幸せになっていく姿を見ていました。

時が経ち、TBSテレビの「林先生の初耳学」という番組の中で、日本から世界に出るパリコレモデルを育てていくという企画がスタート。桂由美先生のドレスをモデルたちが身にまとっての表現審査に協力頂き、一緒に審査員として選考してゆくことにまでお力を貸して頂きました。
その際に、先生の穏やかな優しい空気感と、"美に対する揺るぎない哲学"を、そばで拝見させていただきました。とても光栄でした。それ以降、私も年齢を重ね、体型で気になる部分も出て参りましたが、そんな部分を優しく包みつつ身体を綺麗に見せてくれる、着る人が自信が持てて美しく輝く桂由美先生のドレスを、たくさん着用させていただいています。

撮影では、自分の作品の中に先生のドレスの息吹を入れさせていただくことができて光栄でした。
桂由美先生は日本にウェディングドレスを民主化させたと言われます。
先生の魂は女性を美しく見せて自信を持たしてくれるドレスの中に、ずっとずっと生き続けます。
今もドレスを着用していると、一緒にいる気持ちがしてすごく光栄です。そして幸せです。
安らかに。。。

（アンミカ/2024年8月9日桂由美追悼ショー“Yumi - celebration of life -”にて）